2002年11月17日

エプコ(2311)

会社概要

低層住宅向けに給排水設備の設計・積算業務、 および官公庁への給排水設備申請資料の作成代行業務を行っています。 設立から12年と若い企業です。

経営データ

単位[百万円] 01.1 02.1
営業収入 474 655
税引前営業CF 171 243
営業CF 37 150
事業投資 2 6
オーナー利益 35 144
修正税引前営業CF 171 240
修正営業CF 103 144
修正オーナー利益 101 138

指標

収益性

01.1 02.1
営業収入/人 1247万円 1679万円
オーナー利益/人 265万円 354万円
営業収入オーナー利益率 21.2% 21.1%
総資産オーナー利益率 26.3 25.6%
株主資本オーナー利益率 39.0% 34.7%
固定棚卸資産オーナー利益率 124.2% 184.0%
売上高総利益率 62.2% 61.0%
売上高営業利益率 37.5% 34.4%
売上高経常利益率 37.1% 34.1%
売上高税引前利益率 41.4% 34.1%
売上高純利益率 19.1% 18.3%
効率性

01.1 02.1
総資産回転期間 9.7ヶ月 9.9ヶ月
売上債権回転期間 1.6ヶ月 1.4ヶ月
棚卸資産回転期間

固定資産回転期間 2.1ヶ月 1.4ヶ月
健全性

01.1 02.1 02.7
株主資本比率 67.4% 73.7% 79.9%
有利子負債比率 12.0% 0% 0%
固定比率 31.4% 18.8% 21.3%
流動比率 317.9% 359.7% 455.9%
当座比率 317.9% 359.7% 455.9%
成長性(1年単純平均)
営業収入成長率 38.2%
営業CF成長率 40.4%
営業利益成長率 13.4%
割安性(株価230,000円)
PCFR 6.6倍
POER 6.9倍
PER 7.8倍
PSR 1.42倍
PBR 2.38倍
WCR 2.92倍
PER×PBR 18.5倍
配当利回り 0%
配当性向 0%
純流動資産 3.2億円
時価総額 10.6億円

※オーナー利益には修正オーナー利益の値を使用しています。

事業内容

事業セグメント別売上高[百万円]
設備設計・積算業務の受託393
建築設備のコンサルティング59
部材加工情報の提供80
官公庁申請管理業務の受託131
設備設計・積算業務

エプコの主力事業は、低層住宅の給排水設備の 設計・積算業務のアウトソーシングです。

まず、住宅メーカーから給排水設備の設計依頼を受けます。 エプコはCADシステムで設計図を作りますが、そこで終わりではありません。 予め部材メーカーに部材の標準化のコンサルティングを行い、 部材の標準化をはかります。 この標準化された部材を使って、今度は加工工場で プレファブ加工をしてもらいます。 こうしてできあがった配管プレファブ部材を 実際に施行を行う設備工事会社に配送してもらいます。

エプコの設備設計・積算業務の収入源は以下の3つです。

  1. 設計・積算に対する住宅会社からの収入
  2. 部材・工法のコンサルティングによる部材メーカーからの収入
  3. 配管加工情報提供による加工工場からの収入

部材の製造は部材メーカーが、配管プレファブ部材の加工および配送は 加工工場が担当しているため、エプコが実際に手掛けている部分は ソフト部分だけでハードは一切扱っていません。

官公庁申請管理業務

給排水設備工事は官公庁により管理されており、設備工事会社は 事前に申請資料を提出しなければなりません。 この申請資料の作成を代行しています。

強み

今まで給排水設備の施行は工事現場で 設計図無しで職人による経験と勘に頼って行われていました。 そのため、施行には平均4日間掛かり、また職人の技能レベルによる ばらつきが生じてしまっていました。

一方、エプコは配管部材を予めプレファブ化して提供することにより、 施行が1日で終わるようになりました。 品質もプレファブ化により一定水準を維持することができます。 このことにより、住宅メーカーは工期および人件費を削減することができ、 エプコが上前をはねても多くの企業にとっては 内製化するよりもコストを削減することができます。 つまりWin-Winの関係です。

私が特に注目しているのは、エプコの給排水設計を採用している企業に 東栄住宅が名を連ねている点です。 東栄住宅はパワービルダーと呼ばれる分譲戸建住宅メーカーの筆頭企業であり、 プレファブ化によるコスト削減を積極的に行っている企業でもあります。 東栄住宅に採用されているということは、 現時点ではエプコを採用したほうがメリットが高い、 と言えると思います。

主な採用企業

  • 一条工務店
  • 住友林業
  • エルゴテック※民事再生法を申請して倒産
  • 東栄住宅
躍進の背景

エプコ躍進の背景には、法律の改正があります。 水道法が平成10年4月に改正され、配管部材の原則自由化、 指定工事店制度の規制緩和が行われました。 また、平成12年4月には住宅品質確保促進法が施行され、 住宅の品質確保、基本構造部の瑕疵担保責任が10年間義務付けられました。

このことにより、部材の標準化、プレファブ化が進めやすくなりました。

リスク

エプコが抱えるリスクは大まかに3つあります。

住宅着工戸数の減少

現在は団塊ジュニア世代が住宅購入期に入ってきているため まだ持ちこたえていますが、このまま少子化が進めば 間違いなく住宅着工戸数は減少していきます。 現在は潜在市場の顕在化段階であり、住宅着工戸数との 直接の相関はありませんが、いずれ市場が飽和すれば 住宅着工戸数の増減がそのままエプコの売上を左右することになります。 そして方向性は下方しかありえないため、 エプコにとっては厳しい状況にさらされることになります。

競合の発生

エプコ自身は、現時点では競合他社は存在しないと述べています。 ですが、現実的には大手住宅メーカーの一部が、 エプコのビジネスモデルと同じようなことをしているようです。 大手住宅メーカーの内製化は、エプコにとってももっとも危険な リスクです。

また、これまたエプコ自身が自認していることですが、 エプコが行っている工業化、ファブレス化という業務は、 他業種では当たり前のように行われていることです。 つまり、建築業界の給排水設備工事が他と比べて 工業化が遅れているだけであって、エプコが最先端のビジネスを 展開しているわけではありません。

このことは、益々もって大手住宅メーカーや 他企業の参入障壁が低いことを意味します。

取引企業の倒産による不良債権化

建築業界といえば、今もっとも危ない業界のひとつです。 そうすると、取引企業が倒産する可能性が高くなります。 現に、主要取引先であったエルゴテックが倒産し、 債権の一部が回収不能になっています。

リスク回避の施策

現在約4%ある海外(中国)への設計委託率を高め、コストを下げる試みを 始めています。内製化を考えさせない価格でのサービス提供を リスク回避策のひとつとして考えているようです。

業界

市場規模

エプコは低層住宅の給排水設備の設計をメインターゲットにしています。 低層住宅は新設住宅着工戸数の約58%にあたります。 2001年の新設住宅着工戸数は117万戸。 低層住宅は推定68万戸となります。

シェア

類似企業には日本上下水道、オリジナル設計がありますが、 厳密な意味での競合他社は今のところ存在しません。 また、大手住宅メーカーが類似事業を行っているらしいのですが、 実際にまったく同じようなことをしているのか、 それとも若干毛色の違うことをしているのか、 把握していないので良くわかりません。

エプコの事業領域を工業化された給排水設備の設計サービスと 位置付けると、業界シェアは100%となります。 そうではなく、低層住宅全体における給排水設備の設計と考えると、 2001年のエプコの実績が約35000戸であることから、 潜在市場におけるエプコのシェアは約5.2%となります。

成長性

顕在化している市場規模と潜在市場の規模を比較すると、 成長余地はまだまだたくさん残されています。 単純に考えても、潜在市場の50%が顕在化されれば エプコの成長余地は現在の10倍あります。

たくさん余地は残っているのですが、 だからエプコは安泰だとは残念ながら言えません。 リスクのところで述べたとおり、住宅メーカーの内製化が常に ちらつくからです。

エプコがこの事業で確実に生き残っていくためには、 最低限、低層住宅におけるシェアを20%確保する必要があります。 これは、トップ住宅メーカーのシェアが約20%だからです。 ここまでシェアを握ることができれば、 内製化によるコストダウンよりもエプコが提供するサービスのほうが 確実にトータルコストを低く抑えることができるようになり、 したがって大手住宅メーカーの内製化にも歯止めをかけることが可能なはずです。 ここまでこれれば、エプコの評価(株価も含めて)は大きく変わると思います。

新規事業

現在主力の設計業務以外にも、将来の収益の柱としていくつかの 事業を考えています。 工業化設備部材の流通事業、リフォーム事業、メンテナンス事業などです。

設備設計は数万件が毎年データベースに蓄積されます。 この情報を元にすれば、いつごろお客様が 住宅のメンテナンスが必要になるか、リフォームの希望が出てくるか、 そういったことも推測することができます。 このデータを有効活用しよう、というのがリフォーム事業、メンテナンス事業です。 事業分野もはずれず、利に適っていることから 比較的有望な事業だと思います。 これも自社施行せず、フィービジネスに仕立て上げることができれば なおさら良いのですが。

株主への姿勢

配当性向

今までは配当は実施していませんでした。ですが、今後は約20%を目処に配当を実施する予定です。

自社株買い

実施していません。

ストックオプション

ありません。

IR
  • 事業内容
  • 決算短信
  • IR窓口
    • メールアドレス:epco-ir@epco.jp
    • 電話番号:03-5244-6387
    • FAX番号:03-5244-7761

ウェブサイトに以上のものがありました。

その他

どうでも良いことなのですが、エプコは社長が株式の約85%を握る オーナー企業です。社長がそんなに握っているものだから、 他の人はほとんど株を所有していません。 しかも時価総額はたったの10億円。 四季報に載っている一番下の人の持ち株数はたったの20株。 ちょっとした金持ちなら楽々四季報に名前が載ります。 今なら460万円でもれなく将来のキャピタルゲインと 四季報への名前掲載特典プレゼント?(笑) 一度記念に四季報に載ってみたいものです。

評価

業界 アウトソーシング>給排水設備設計・積算代行業
潜在市場シェア 5.2%
ブランド ☆☆☆☆☆
収益性 ★★★★★
効率性 ★★★☆☆
健全性 ★★★★★
成長性 ★★★★☆
永続性 ★☆☆☆☆
安定性 ★★☆☆☆

企業価値

キャッシュフロー 100百万円
将来CF組み入れ期間 10年間
成長率予測 10年間15%
還元率 2%
純流動資産 3.2億円
将来CF 20.5億円
企業価値 23.8億円
時価総額 10.6億円
時価総額比 2.23倍
理論株価 512,900円

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