2002年12月08日
ジェイ・プランニング(2749)
会社概要
パチンコ店内でワゴンサービスの提供、フードコーナーの運営を 行っている企業です。最近は託児所に注力中。
経営データ
| 単位[百万円] | 01.3 | 02.3 |
|---|---|---|
| 営業収入 | 2,925 | 3,639 |
| 税引前営業CF | 227 | 211 |
| 営業CF | 227 | 77 |
| 事業投資 | 36 | 46 |
| オーナー利益 | 191 | 31 |
| 修正税引前営業CF | 227 | 277 |
| 修正営業CF | 136 | 166 |
| 修正オーナー利益 | 100 | 120 |
指標
| 収益性 | ||
|---|---|---|
| 01.3 | 02.3 | |
| 営業収入/人 | 21万円 | 17万円 |
| オーナー利益/人 | 15万円 | 12万円 |
| 営業収入オーナー利益率 | 3.4% | 3.3% |
| 総資産オーナー利益率 | 9.2% | 10.5% |
| 株主資本オーナー利益率 | 24.0% | 21.1% |
| 固定棚卸資産オーナー利益率 | 52.2% | 28.9% |
| 売上高総利益率 | 29.8% | 30.0% |
| 売上高営業利益率 | 4.7% | 7.4% |
| 売上高経常利益率 | 4.9% | 8.1% |
| 売上高税引前利益率 | 5.0% | 8.0% |
| 売上高純利益率 | 2.7% | 4.6% |
| 効率性 | ||
|---|---|---|
| 01.3 | 02.3 | |
| 総資産回転期間 | 4.5ヶ月 | 3.8ヶ月 |
| 売上債権回転期間 | 1.1ヶ月 | 1.1ヶ月 |
| 棚卸資産回転期間 | 0.1ヶ月 | 0.1ヶ月 |
| 固定資産回転期間 | 0.6ヶ月 | 1.2ヶ月 |
| 健全性 | |||
|---|---|---|---|
| 01.3 | 02.3 | 02.9 | |
| 株主資本比率 | 38.3% | 49.5% | 53.2% |
| 有利子負債比率 | 51.3% | 23.0% | 20.2% |
| 固定比率 | 37.6% | 65.7% | 49.0% |
| 流動比率 | 173.8% | 154.3% | 177.1% |
| 当座比率 | 167.3% | 145.9% | 169.4% |
| 成長性(1年単純平均) | |
|---|---|
| 営業収入成長率 | 24.4% |
| 営業CF成長率 | 22.0% |
| 営業利益成長率 | 85.2% |
| 割安性(株価190,000円) | |
|---|---|
| PCFR | 14.6倍 |
| POER | 20.2倍 |
| PER | 14.3倍 |
| PSR | 0.65倍 |
| PBR | 4.26倍 |
| WCR | 12.4倍 |
| PER×PBR | 60.7倍 |
| 配当利回り | 0% |
| 配当性向 | 0% |
| 純流動資産 | 1.96億円 |
| 時価総額 | 24.2億円 |
※営業キャッシュフロー、オーナー利益には修正値を使用しています。
事業内容
証券業界出身のパチンコ好き社長が起こした企業で、 パチンコに付帯したサービスを主に展開しています。
事業構成
| 事業 | 売上高[百万円] | 営業費用 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| ワゴンサービス事業 | 3,243 | 2,632 | 610 |
| 飲食事業 | 434 | 392 | 41 |
| 託児所事業 | 17 | 22 | -5 |
| その他事業 | 21 | 17 | 4 |
| 全社共通 | 375 | -375 |
ワゴンサービス事業
同社の基幹事業はパチンコ店内でのワゴンサービスです。 このワゴンサービスは、パチンコ店内でコーヒー、軽食等を 遊戯中のお客さんに売り歩くサービスで、私も以前お世話になっていました(^^;。
同社ではこのワゴンサービスをパチンコ店に提供するにあたり、 大きく分けて2つの方法を取っています。
直営方式(パチンコ玉販売)
ジェイ・プランニングがワゴンサービスの請負とコーヒー・軽食等の卸売りを パチンコ店に対して行う方式です。
| ジェイ・プランニング | |
|---|---|
| 収入 | 卸売、サービス代金受取り |
| 支出 | スタッフ派遣、コーヒー・軽食準備 |
| パチンコ店 | |
| 収入 | 遊戯中のお客さんへの(パチンコ玉を通しての)コーヒー等販売代金 |
| 支出 | 卸売、サービス代金支払い |
ジェイ・プランニングとしては、卸売りからの利益とスタッフ派遣の サービス料をパチンコ店から徴収できるので、 物販の多寡に関わらずリスクはほとんど無いように思えます。
一方、パチンコ店側はサービス料という固定費を必ず支払わなければならず、 物販の販売額が少ないと「販売額ー卸売り価格」から得られる利益額が サービス料を下回り、ワゴンサービスとしては赤字になることも考えられます。 ただし、ワゴンサービスを提供することによってお客さんをパチンコ台に 釘付けすることができ、パチンコ台からの収入は増えることになりますので、 赤字が出たとしても他からの収入増で充分穴埋めできるとも考えられます。
直営方式(現金販売)
パチンコ店で遊戯中のお客さんにコーヒー、軽食等を現金で直接販売する方式です。
| ジェイ・プランニング | |
|---|---|
| 収入 | 遊戯中のお客さんへのコーヒー等販売代金 |
| 支出 | パチンコ店への場所代 |
| パチンコ店 | |
| 収入 | 場所代 |
| 支出 | なし |
パチンコ店は場所を提供することによる場所代だけを受け取り、 一切のリスクを負わない方式です。 ジェイ・プランニングにとっては飲食店経営と同じ形式になりますので、 販売高によって利益が大きく振れます。 パチンコ玉販売方式よりも物販によるリスクをジェイ・プランニングが被る 方式といえます。
卸売方式
ジェイ・プランニングは直接ワゴンサービスに関わらず、 他ワゴンサービス業者へのコーヒー・軽食等の卸売だけを行う方式です。
| ジェイ・プランニング | |
|---|---|
| 収入 | 卸売、経営指導代金受取り |
| 支出 | 卸売の原材料 |
| ワゴンサービス業者 | |
| 収入 | パチンコ店からの卸売、サービス代金 |
| 支出 | 卸売代金、経営指導料、スタッフ派遣 |
運営方式別店舗数(2002年7月末)
| 直営方式(パチンコ玉販売) | 315店 |
|---|---|
| (うち現金併用) | (162店) |
| 直営方式(現金販売) | 11店 |
| 卸売方式 | 57店 |
| 委託方式 | 12店 |
飲食事業
パチンコ店内へフードコーナーを設置し、 コーヒー、軽食を現金販売しています。 パチンコ店へは場所代を支払います。
パチンコ愛好者(中毒者とも言う<笑>)の食べ物に対するニーズは高く、 ワゴンサービスの軽食では物足りないが、外に出てパチンコ台から 長期間離れるのも嫌、という人は結構います(体験談)。
お客さんのニーズ、パチンコ店側のニーズ(台の稼働率を上げたい)、 店舗の大型化の3条件が揃ってきていますので、 今後もパチンコ店内フードコーナーは増加するものと思います。
パチンコ店内だけではなく、一般的な飲食専門店も展開しています。 パチンコ店内のフードサービス、飲食専門店別の利益は 公開されていないため、飲食専門店が黒字を計上しているかはわかりません。
託児所事業
この事業も発端はパチンコにあります。 パチンコ中にも安心してプレイできるよう、パチンコ店に隣接した 一時預かりの託児所を運営したのがはじまりです。 その後、パチンコ店にこだわらない単独運営の託児所をスタートしています。
強み
物販は一定数量さえ確保できれば必ず利益が出ます。 というよりも利益の出せる卸売価格でパチンコ店に販売すれば良いのです。 ワゴンサービスで派遣する人材はそのほとんどがアルバイトです。 この部分では固定化された人件費はほぼゼロです。 また、飲食で一番ネックになる場所代も、 大部分の契約方式では支払う必要がありません。 固定化された費用がとても少ないのが、同社の強みです。
リスク
参入障壁の低さ
同社が簡単に利益を上げているように、 パチンコ店内でのワゴンサービスビジネスは 繁盛しているパチンコ店であればほぼ間違いなく儲かります。 それでは、このビジネスを行ううえで参入障壁はあるでしょうか? 実はほとんどありません。
- 人材育成に時間が掛かる→×
- 扱っている商品を作るのが難しい→×
人材を揃えることと食材を揃えること、この2点だけを 行っているに過ぎず、多少の労力を惜しまなければ 誰にでも出来てしまうビジネスです。
一番の懸念は、利益に貪欲なパチンコ店経営者が みすみす利益をジェイ・プランニングに与え続けるかどうか、です。 ジェイ・プランニングの契約先が主にどんな店舗なのか まだ良くわかっていないのですが、 大手チェーン店であれば自前ですべて用意することはさほど難しくありません。 MARUHAN等、大手パチンコチェーンはワゴンサービスを どうしているのでしょうか…。気になります。
仮に大手チェーンはすべて自前でワゴンサービスを行っているとなると、 ジェイ・プランニングのターゲットは中小パチンコチェーンに限られることになります。
退店数の多さ
最近の出退店数は以下の通りです。
| 区分 | 出店 | 退店 | 期末 | |
|---|---|---|---|---|
| 2001年度 | ワゴン | 185 | 73 | 322 |
| フード | 24 | 6 | 22 | |
| 2002年度 | ワゴン | 128 | 65 | 385 |
| フード | 20 | 5 | 37 |
とにかく目立つのが、ワゴンサービスの退店数。出店数の実に半数もの数が 退店しています。これはかなり高率の退店率です。 現在は出店数が多くカバーできていますが、 契約店数を増やすことによる売上増が同社の基本戦略ですから、 歯車が逆に回り出したたときに一気に崩壊する恐れがあります。
託児所事業
立ち上げ初期だからなのかもしれませんが、 現在託児所事業では営業利益が出ていません。つまり赤字事業です。 その託児所事業をいずれワゴンサービスと並ぶ事業の柱に育てたいと 社長は考えていて、その比率を50:50にまで高めたいと考えています。
託児所事業はワゴンサービスと異なり固定費がかなりかかるため、 失敗した際の痛手が大きいです。 キャッシュフローの多くを今後託児所につぎ込む場合、 その将来性、収益性をよく考えておいたほうが良さそうです。
補助金不正受領?
Yahoo!ファイナンスの掲示板に書き込まれていた内容なので 信憑性はよくわからないのですが、 ジェイ・プランニングは母子家庭の母親を雇うことによって 受け取れる補助金を不正に受けているとのことでした。
話の内容から推測すると、手続きの順番がおかしいだけで、 母子家庭の母親を雇っていること自体は本当のような気がします。 順番がどう違うかというと、 母子家庭の母親が職安経由で申し込んだ場合、 その人を雇うと企業側は補助金を受けられるらしいのですが、 すでに同社が雇った人で母子家庭であることがあとでわかった人について、 職安経由で再度申し込みをさせて補助金を受け取っているとのことでした。
結果として母子家庭の母親を雇っているのであれば あまり詐欺に当たらないような気もしますが、 今後同社が何らかの訴訟に巻き込まれる可能性があるかもしれません。 補助金の制度等、全然知りませんのでどの程度リスクのある内容なのか 判断できませんが…。
ロックアップ
同社の株式を保有している人のうち、経営陣2名とみずほキャピタルには 6ヶ月間のロックアップが掛かっています。 3者合計で9776株とかなりの株数を保有しており、 ロックアップ明けに需給が悪化する可能性があります。 (そいうはいってもそのほとんどは経営者2名が所有する分であり、 分別のある経営陣であればまず売らないとは思いますが…)
業界
市場規模
同社の属する業界をどこと定義するかは非常に悩ましいですが、 一番関係が深いのはやぱりパチンコ業界だと思いますので、 広義の業界はパチンコ業界とします。 パチンコ業界は現在約28兆円規模。最近は縮小傾向が続いています。 ですから市場全体のパイを考えた場合は縮小方向です。
全国パチンコホール数は2001年時点で14,802店。 5年前に比べて約10%の減少と、大幅にその数を減らしています。 今後も店舗数の減少自体には歯止めは掛からないでしょう。
一方、パチンコ店でのワゴンサービス、フードサービスは 増加傾向にあるものと思います。 正確な数字は把握していませんが、大型店舗の場合、 お客さんのニーズを組み入れて多くの店舗で実施しています。
ある程度お客さんの入っているお店でしかワゴンサービスは提供できませんから、 大雑把に大都市圏の店舗数を約50%と見積もると、その数約7,000店。 そのうち、ある程度大きな規模の店舗は50%と見積もると、 その数約3,500店程度と推測できます。
契約形態によりけりですが、ジェイ・プランニングの売上を参考にすると 店舗数約3500店舗、市場規模約250億円が パチンコ店内におけるワゴンサービスの潜在市場規模だと考えられます。
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パチンコ店内におけるワゴンサービスのシェアは潜在市場に対して約11.4%。 同社はこのサービス専業ではトップ企業です。
同業他社
アシード(9959)という、パチンコ店中心に飲食の自販機& その食材を販売している企業があるのですが、 この企業がジェイ・プランニングと同じような事業も手掛けているそうです。 詳細については調べていないので不明です。
成長性
潜在市場3,500店舗のうち、1,000店舗ほどは大手チェーンみずからが ワゴンサービスを提供してしまう気がします。 そうするとワゴンサービス専業業者のパイは2,500店舗で、 それをみんなで奪い合う形になるのではないでしょうか。
現在顕在化している市場がどの程度で、 同業他社はどの程度の店舗数を抱えていて…というデータがあると良いのですが、 残念ながら全然わかりません。 同社が本格的にワゴンサービスを始めたカテゴリーリーダーであることと 現在トップを走っていることを考えると、 30%~50%程度のシェアが取れても不思議ではないと思います。 仮に30%のシェアが握れるとすると、ワゴンサービス、フードサービスあわせて 100億円程度、前期売上高と比べて約3倍まで拡大する可能性があります。
株主への姿勢
配当性向
前期は配当性向約0%。 いままで配当は行ってきていませんでしたが、 公開を機に約20%の配当を実施するとのことです。
自社株買い
実施していません。
ストックオプション
権利行使価格12,5000円で600株のストックオプションがあります。 現在株価は行使価格を上回っており、全体の約5%にあたる600株による 株主価値の希薄化は避けられないものと思います。
IR
- 事業内容
- 決算資料
ウェブサイトに以上のものがありました。 証券会社出身の社長としてはお粗末な内容しかないと言わざるを得ません。
評価
| 業界 | パチンコ>ワゴンサービス |
|---|---|
| 潜在市場シェア | 11.4% |
| ブランド | ☆☆☆☆☆ |
| 収益性 | ★★☆☆☆ |
| 効率性 | ★★★★☆ |
| 健全性 | ★★★★☆ |
| 成長性 | ★★★☆☆ |
| 永続性 | ★☆☆☆☆ |
| 安定性 | ★★☆☆☆ |
企業価値
| キャッシュフロー | 100百万円 |
|---|---|
| 将来CF組み入れ期間 | 10年間 |
| 成長率予測 | 10年間10% |
| 還元率 | 2% |
| 純流動資産 | 1.96億円 |
| 将来CF | 15.5億円 |
| 企業価値 | 17.5億円 |
| 時価総額 | 24.2億円 |
| 時価総額比 | 0.72倍 |
| 理論株価 | 136,800円 |