2003年03月16日

エフ・ディ・シィ・プロダクツ(2671)

経営理念

私たちは独自性を持った強い企業を目指します。そして、流行を過度に意識することなく、世界に通用する商品やサービスの提供を通じて、お客様をはじめ私たちを取り巻く人々に貢献していきます。

経営陣

経営陣のほとんどはアスティという衣料の卸売を行っている企業出身です。エフ・ディ・シィ・プロダクツ(以下FDCプロダクツ)はアスティの子会社です。

事業内容

同社行っている事業は以下の通りです。

  • ジュエリー小売事業
  • ウエア小売事業
  • 飲食事業
ジュエリー小売事業

同社の主力事業です。「4℃」「RUGIADA(ルジアダ)」という2つのブランドを展開しています。

4℃

直営店で100m2程度、インショップ店では50m2程度のお店を全国に120店舗(2002年8月時点)展開しています。中心価格帯は2万円~4万円。中心顧客層は20代の女性です。女性には比較的知られているブランドらしいです。私はさっぱり知りませんが…。ゴールド、プラチナ、シルバー等、全般的に宝飾品を扱っています。

ブライダルジュエリーも扱っており、こちらは平均30万円ほどだそうです。世の男性方は大変ですね。

RUGIADA

こちらは4℃よりも価格帯を高めに設定しています。中心価格帯は5万円、中心顧客層は30歳から35歳です。現在14店舗(2002年8月時点)展開しています。

事業内容

同社が行っているのは、企画・デザインと販売の部分のみです。宝石は商社から、地金は販売業者から購入していて、加工・製造は業者に委託しています。企画・デザイン以外は一般的な宝飾店と代わり映えしないビジネスを行っています。

4℃、RUGIADAとも、海外へも数店出店を行っています。また、ブライダル・ジュエリーの比率は売上比25%となっています。

ウエア事業

4℃ブランドで衣料品を扱っています。現在41店舗で取り扱っています。

飲食事業

「FLAGS CAFE」という、お洒落な感じのパスタ屋さんを子会社フラッグス株式会社を通じて展開しています。現在20店舗(2002年8月時点)。ケーキやコーヒーも扱っています。価格帯はデフレ時代にしては若干高めな気がします。

その他事業

その他、4℃ブランドでバッグや靴も扱っています。また、「ラ シェール」という玩具・雑貨の輸出入・卸売りを行う企業に27.5%出資し関係会社化しています(利益はかなり出ている会社のようです)。

収益構造分析


収入源

事業別 売上高[百万円] 構成比[%]
ジュエリー 11,198 74.0%
ウエア 1,762 11.6%
飲食 1,058 7.0%
その他 1,113 7.4%
ブランド別 構成比[%]
4℃ 88.4%
RUGIADA 3.1%
FLAGS CAFE 6.7%
その他 1.8%

収入のほとんどは4℃ブランドのジュエリー事業から得ています。販売経路は直営店、インショップ店、業務委託店、フランチャイズ店、卸売と5つの経路がありますのが、8割以上は直営の店舗(インショップ含む)から売り上げていますので、極々普通の宝石屋さんのようです。

不思議なのは、何故ネット販売なり通信販売に踏み込まないかですね。高額で輸送費の掛からない宝飾品はもっともネット販売に適している商品なのですが。ブランド戦略と関わりがあるのでしょうか。

収益源
事業別 営業利益[百万円]
ジュエリー 2,439
ウエア -39
飲食 -106
その他 -15
全社 -766

収益源もジュエリー事業がほとんどのようです。というよりもジュエリー事業以外はみんな赤字です。

全部ごちゃまぜになっているのでどの商材がどのくらいの粗利なのかよくわかりませんが、単体の粗利(FLAGS CAFEを除いた粗利)は56%なのでかなり利幅の良い商品を扱っているのは確かです。

販売管理費の内訳をみてみると、上位は人件費や賃貸費と極々普通の項目が並んでいるのですが、3位グループにおやっと思う項目があります。「ロイヤリティ」です。

このロイヤリティは562百万円にものぼるのですが、 4℃という商標権に対して親会社のアスティに支払っているようです。契約は売上の4.5%程度。う~ん、なんか変じゃないですか?別にアスティに何かしてもらっているわけじゃないのに、 4℃という商標を使うだけで売上の4.5%もロイヤリティを支払うなんて…。

このロイヤリティが無かった場合、営業利益は30%もアップします。子会社として独立させた以上、しかもそれが公開企業である以上、 4℃のブランドは完全にFDCプロダクツに移管するべきだったと思います。

その他にも、同社が赤字のウエア事業を続けているのは、実は衣料卸のアスティが親会社だから(親の意向で)仕方なく続けてるのではないかと勘ぐってしまいます。

財務分析

繰延税金資産として流動資産、固定資産合わせて5.5億円計上しています。税効果会計が標準になってから繰延税金資産はほぼ必ず目にするようになってしまいました。完全に保証されている収入ではないですし、金額もそれなりに大きいので、グレアム銘柄をスクリーニングする際には今後邪魔になりそうな項目です。

その他に気になる点は、無形固定資産が84→207(2002年決算時)と増加している点です。商標賃借権が増加の原因らしいのですが、アスティには支払っているのに何故残っているのでしょうね。費用の先送りなのか、アスティのほうが経営が厳しいので前払いしてあげたのか。

あとは売上が3%しか伸びていないのに、売掛金が25%伸びてるのも少し気になります(今期中間期)。

前期時点の財務指標は、扱っている商材が宝飾品ということで棚卸資産が多額なため、当座比率だけは悪いですが、それ以外は問題の無い水準でした。

ただ、その後本社用地を15億円かけて購入したため、各指標は平凡な水準に悪化しています。これによって毎期販管費に掛かっていた賃貸料は減らせるでしょうけど、費用対効果の面ではどうだったのでしょうね。

外部環境


市場規模

2001年の市場規模は1.3兆円。10年前が3兆円ということで、バブル崩壊から急速に市場が縮小しています。このまま行けば1兆円程度までは縮小しそうな気配です。

また、宝飾市場の約2割を占めると言われているブライダル・ジュエリー。今後結婚適齢期を迎える28歳~30歳の人口は出生率の低下により、 220万程度から30年後には140万程度と2/3になります(数字は28~30歳の合計ではなく、1年分の数字)。こちらの面も、宝飾品市場の縮小を後押ししています。

シェア

同社の市場シェアは0.8%。国内最大手と言われているのがティファニーで推定500億円です。トップ企業でもシェア3.9%ということで、まだ寡占化が進んでいない市場であるとも言えます。

競合

外国勢は前述のティファニー、それからカルティエ、ブルガリがトップ3だそうです。これら外国産企業は年々拡大し、現在宝飾品市場の18%を占めるに至っています。日本人は外国のブランドにすこぶる弱いため、これら企業はいずれもFCDプロダクツの強力なライバルになります。

また、国内ではミキモト、田崎真珠、ツツミがトップ3。いずれの企業も300億円程度の売上を誇っています。また、元気が良い企業にはシーマ、サダマツが挙げられます。

ミキモト、田崎真珠はもう老齢化!?していて元気が無いのでどうでも良いですが、低価格ジュエリーで高収益をあげているツツミ、まだまだ規模が小さく伸び盛りのシーマ、サダマツはやっかいなライバルになりそうです。

成長性

残念ながらジュエリー事業の成長性はかなり鈍化しています。今中間期は成長率がとうとうゼロになってしまいました。

同社の場合、問題なのは資本をジュエリーよりもウエアや飲食事業に重点的に配分している点です。現在、ウエアや飲食事業は赤字事業で全然利益は出ていません。

全然利益のあがっていない事業に多くの資本を割けば、将来増収減益の罠にはまるのは目にみえています。まだ規模が小さいなら赤字も許されますが、どちらの事業もすでに売上高は10億円を越えるレベルです。既に言い訳のできない規模なのですから、しっかり立て直すか、さっさとやめるかしないと今後もジュエリーの収益を無駄に食い荒らすことになります。

ジュエリーにもっと本腰を入れれば、まだまだ伸びる余地はあると思いますが、現状では利益の成長は期待できません。

株主への姿勢


配当性向

約15%。

自社株買い

前期決算時に40万株を上限とする自社株買いを発表しています。

ストックオプション

ありません。

IR
  • 事業内容
  • 決算資料
  • 月次報告
  • IR窓口
    • メールアドレス info@fdcp.co.jp
    • 電話      03-3780-8900
    • FAX       03-3780-8904

ウェブサイトに以上のものがありました。

経営データ

単位[百万円] 01.02 02.02
営業収入 13,372 15,015
税引前営業CF 1,254 1,619
営業CF 515 1,009
事業投資 685 563
 (うち新規投資) 106
 (うち維持投資) 685 457
オーナー利益 -170 552
修正税引前営業CF 1,254 1,518
修正営業CF 752 911
修正オーナー利益 67 454

指標


収益性

単位[%] 01.02 02.02
営業収入営業CF利益率 5.6 6.1
総資産営業CF利益率 8.6 9.8
株主資本営業CF利益率 14.4 15.5
固定棚卸資産営業CF利益率 11.3 13.2
営業収入オーナー利益率 0.5 3.0
総資産オーナー利益率 0.8 4.9
株主資本オーナー利益率 1.3 7.7
固定棚卸資産オーナー利益率 1.0 6.6
単位[%] 01.02 02.02
売上高総利益率 59.5 59.2
売上高営業利益率 10.3 10.0
売上高経常利益率 10.2 10.0
売上高税引前利益率 9.2 9.4
売上高純利益率 5.1 5.2
効率性
単位[ヶ月] 01.02 02.02
総資産回転期間 7.8 7.5
売上債権回転期間 0.9 0.9
棚卸資産回転期間 2.1 1.9
固定資産回転期間 3.9 3.6
健全性
単位[%] 01.02 02.02 02.08
株主資本比率 59.9 62.9 53.5
有利子負債比率 6.2 1.8 39.0
固定比率 82.9 75.7 103.6
流動比率 142.5 157.1 125.6
当座比率 66.0 78.9 57.1
成長性(4年単純平均)
売上高成長率 7.0
経常利益成長率 7.6
割安性(株価494円)
PCFR 5.3倍
POER 10.7倍
PER 6.2倍
PSR 0.32倍
PBR 0.80倍
WCR ▲倍
PER×PBR 5.0倍
配当利回り 3.0%
配当性向 16.9%
純流動資産 ▲億円
時価総額 47.8億円

※営業キャッシュフロー、オーナー利益には修正値を使用しています。

評価

市場シェア 0.8%
ブランド ★☆☆☆☆
収益性 ★★★☆☆
効率性 ★★★★☆
健全性 ★★★☆☆
成長性 ★★☆☆☆
安定性 ★★☆☆☆
永続性 ★★☆☆☆

企業価値

キャッシュフロー 300百万円
成長率予測 5年間0%、以降-1%
還元率 1%
純流動資産 0億円

5年 10年 15年 20年 25年 30年
将来CF[百万円] 1,456 2,801 4,017 5,118 6,114 7,016
企業価値[百万円] 1,456 2,801 4,017 5,118 6,114 7,016
時価総額比[倍] 0.30 0.57 0.82 1.05 1.26 1.44
理論株価[円] 148 284 407 519 620 712

コメント

ジュエリー事業への投資以外を"無駄な投資"と判断して、厳しく評価してみました。資本を適切に配分するならば、もっと高く評価して良いのですが…。

FLAGS CAFEの収益改善をスケールメリットで乗り越えようかと考えているあたりに駄目さが伺えます。どこに黒字化の根拠があるのか聞いてみたいものですし、そもそも良い事業は1店舗でも黒字は達成できます。

ビジネスの基本は小さく始めて、成功したらそれを拡大する、です。少なくとも飲食業はスケールメリットがあって始めて利益が出せるビジネスモデルではありません。

18店舗も出店して赤字が続いているのに、今後も継続的に出店しそうな気配をみせているのには呆れます。先に既存店をすべて黒字化させるべきでしょう。

その他、本業の柱であるジュエリー事業が今期は減速し、減益に追い込まれる予定です。既存店累計-6.5%はさすがにきつかったようですね。

投資判断

宝飾店は売れ残って不良在庫となったものにも(宝石・貴金属としての)価値があるため、非常に良いビジネスではあると思います。

ですが、現在のFDCプロダクツは資本を適切に配分しているとは言えず、また親会社アスティに対して甘い対応も見受けらます。株価水準は非常に低く魅力的なのですが、会社が方針を変えない限り投資は避けたほうが良いのではないかと思います。

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