2003年04月13日
ダヴィンチ・アドバイザーズ(4314)
経営理念
創造性
リスクを把握して最小限に抑え、投資効率を高める投資モデルを創造し、これを投資家の皆様に提供します。ファンド組成のために取得した管理不動産については、“ダヴィンチブランド”に適合するよう、その内装・設備を改善し、さらにテナントを厳選して快適な住環境を提供します。
透明性
経営内容および投資内容と管理不動産を徹底的にディスクローズすることにより、正確な情報を株主ならびに投資家の皆様に提供します。
信頼性
創造性と透明性に裏付けられた企業経営により、業界トップの収益力とサービスを提供し、株主ならびに投資家の皆様の信頼にお応えします。
事業内容
不動産投資顧問業および不動産の投資に係る事業を行っています。
主力事業は、不動産投資ファンドの組成、運営による手数料収入です。同社は投資家からお金を出資してもらい、1つのファンドごとに1つの有限会社(特定目的会社)を設立して管理しています。ファンドは借入金がおよそ60%。その他は投資家からの出資金と、自己資金が(エクイティの)5%ほどです。借入金はノン・リコースローンといって、担保物件以外の遡及がされないローンを使用しています。このことにより、リスクを担保物件までに限定することができ、リスクを軽減させています。
手数料は、物件購入時、管理時、売却時の3点でそれぞれ徴収しています。一番のメインは管理時のマネジメント手数料で、およそ1%を手数料として徴収しています。また、その他にも成功報酬制で、だいたい10%を越えるリターンについて超過分の2割を成功報酬として徴収しています。
同社の不動産投資ファンドの戦略は、ある程度劣化した中小不動産を購入し、この不動産の魅力度を向上させて売却するというものです。実際には、空室率80%程度の劣化した中小不動産物件を購入し、追加投資により物件の魅力度を上げ、空室率を95%程度に上げます。また、その際には管理費も6%程度カットし、さらに魅力度を上げます。こうして魅力度を上げた不動産を他社に転売することで、収益を上げるのです。
大体2年~3年程度での売却を考えており、比較的短期的思考で現在はファンドを運営しているようです。 IRRは30%後半と、今のところかなり高い投資収益をあげています。
収益構造分析
収入構造
| アクイジション・フィー(購入時) | 235 |
|---|---|
| アセットマネジメント・フィー(管理時) | 492 |
| ディスポジション・フィー(売却時) | 70 |
| インセンティブ・フィー(成功報酬) | 266 |
| アドバイザリー・フィー | 31 |
| ギャランティー・フィー | 6 |
| つなぎファンドによる家賃収入 | 740 |
期中の運用資産残高が大体500億円ありましたので、マネジメント・フィーとして約5億円の収入がありました。この収入は安定している収入で、計算のしやすい収入になります。惜しむらくは、今のところファンドは短期で終わってしまう点で、 2~3年程度までしかマネジメント・フィーを保証してくれません。
それ以外の収入は一過性の収入です。その中では購入時と売却時の手数料が比較的定期的に入る収入になり、インセンティブ・フィーに関しては不安定な収入になります。つなぎファンドによる家賃収入は、ファンド組成前に一時的に保有していた物件からの家賃収入で、通常は無い収入です。
財務分析
固定比率が悪い数字となっていますが、これはビジネスの仕組み上の問題なだけで、あまり心配する必要はないでしょう(不動産投資ファンド運営を行う子会社への出資金・長期貸付金が流動資産ではなく、固定資産の欄になってしまう)。流動資産が悪化しているのも同じ話で、不動産投資ファンド分を流動資産に振り替えて考えると、財務内容はかなり良いことがわかります。
外部環境
銀行の不良資産売却により、比較的好物件が出回るようになっているようです。また、2006年から始まる(らしい)減損会計により、企業が保有する不動産の流動化が予想され、これも不動産投資ファンドを運営する企業にとってはプラスです。
競合
アセット・マネジャーズ、ケネディ・ウィルソン・ジャパン、パシフィックマネジメント、レーサムリサーチ、クリード等、近年不動産投資事業を行っている企業の上場があいついでいます。
成長性
運営している不動産投資ファンドの成績が良いため、当面はある程度高い成長性が見込めるのではないかと思います。ただ、地価が下落しているなかでは中長期よりも短期ファンドを、という戦略をとっているため、収益はある程度ぶれるかもしれません。
株主への姿勢
配当性向
当面は内部留保重視でゼロ配当の予定です。
自社株買い
2001年に1600株、2002年に7700株の自社株式取得枠を設定しています。ただ、1600株の枠を設定して271株しか買い取っていない点を考えると、実際にはそれほど多くの自社株を買う気はないかもしれません。
ストックオプション
ありません。
IR
- 事業内容
- 決算資料
- IR窓口
- メールアドレス ir@davinci-advisors.com
ウェブサイトに以上のものがありました。
経営データ
| 単位[百万円] | 00.12 | 01.12 | 02.12 |
|---|---|---|---|
| 営業収入 | 490 | 763 | 1,749 |
| 税引前営業CF | 252 | 338 | 1,875 |
| 営業CF | 186 | 188 | 1,669 |
| 事業投資 | 22 | 19 | 3 |
| (うち新規投資) | 0 | 0 | 0 |
| (うち維持投資) | 22 | 19 | 3 |
| オーナー利益 | 164 | 169 | 1,666 |
| 修正税引前営業CF | 252 | 387 | 702 |
| 修正営業CF | 151 | 232 | 421 |
| 修正オーナー利益 | 129 | 213 | 418 |
指標
収益性
| 単位[%] | 00.12 | 01.12 | 02.12 |
|---|---|---|---|
| 営業収入営業CF利益率 | 30.9 | 30.4 | 24.1 |
| 総資産営業CF利益率 | 15.4 | 8.0 | 8.0 |
| 株主資本営業CF利益率 | 17.1 | 9.5 | 14.2 |
| 固定棚卸資産営業CF利益率 | 77.1 | 28.8 | 10.9 |
| 営業収入オーナー利益率 | 26.4 | 27.9 | 23.9 |
| 総資産オーナー利益率 | 13.1 | 7.4 | 7.9 |
| 株主資本オーナー利益率 | 14.6 | 8.7 | 14.1 |
| 固定棚卸資産オーナー利益率 | 65.9 | 26.5 | 10.8 |
| 単位[%] | 00.12 | 01.12 | 02.12 |
|---|---|---|---|
| 売上高総利益率 | 84.0 | 82.5 | 82.0 |
| 売上高営業利益率 | 49.6 | 52.2 | 48.3 |
| 売上高経常利益率 | 49.4 | 45.0 | 36.6 |
| 売上高税引前利益率 | 49.2 | 45.0 | 49.6 |
| 売上高純利益率 | 27.6 | 24.8 | 28.6 |
効率性
| 単位[ヶ月] | 00.12 | 01.12 | 02.12 |
|---|---|---|---|
| 総資産回転期間 | 24.1 | 45.6 | 36.3 |
| 売上債権回転期間 | 0.2 | 1.2 | 1.2 |
| 棚卸資産回転期間 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| 固定資産回転期間 | 4.8 | 12.7 | 26.4 |
健全性
| 単位[%] | 00.12 | 01.12 | 02.12 |
|---|---|---|---|
| 株主資本比率 | 89.7 | 84.2 | 56.2 |
| 有利子負債比率 | 0.0 | 10.2 | 16.8 |
| 固定比率 | 22.2 | 33.0 | 129.7 |
| 流動比率 | 563.6 | 464.4 | 137.4 |
| 当座比率 | 563.6 | 464.4 | 137.4 |
成長性(2年単純平均)
| 営業収入成長率 | 92.5 |
|---|---|
| 営業CF成長率 | 67.5 |
| 営業利益成長率 | 90.1 |
割安性(株価122,000円)
| PCFR | 16.5倍 |
|---|---|
| POER | 16.6倍 |
| PER | 13.2倍 |
| PSR | 3.77倍 |
| PBR | 2.34倍 |
| WCR | ▲倍 |
| PER×PBR | 30.8倍 |
| 配当利回り | 0.0% |
| 配当性向 | 0.0% |
| 純流動資産 | 0.0億円 |
| 時価総額 | 69.5億円 |
※営業キャッシュフロー、オーナー利益には修正値を使用しています。
評価
| 市場シェア | ? |
|---|---|
| ブランド | ☆☆☆☆☆ |
| 収益性 | ★★★★★ |
| 効率性 | ☆☆☆☆☆ |
| 健全性 | ★★★★☆ |
| 成長性 | ★★★★☆ |
| 安定性 | ★★★☆☆ |
企業価値
| キャッシュフロー | 400百万円 |
|---|---|
| 成長率予測 | 5年間20%、以降-1% |
| 還元率 | 1% |
| 純流動資産 | 69.5億円 |
| 5年 | 10年 | 15年 | 20年 | 25年 | 30年 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 将来CF[百万円] | 3,455 | 7,916 | 11,953 | 15,605 | 18,910 | 21,900 |
| 企業価値[百万円] | 3,455 | 7,916 | 11,953 | 15,605 | 18,910 | 21,900 |
| 時価総額比[倍] | 0.50 | 1.14 | 1.72 | 2.24 | 2.72 | 3.15 |
| 理論株価[円] | 60,612 | 138,877 | 209,694 | 273,772 | 331,752 | 384,214 |
コメント
同社もそうなんですが、株式分割を「実質的な利益配当」と評するのは誤解を与える表現なのでやめて欲しいです。株式分割は株主利益に直接の関係は一切ありませんもの。
というのは置いといて。不動産投資ファンドを運営する企業がそろそろ割安になったかな、と思いその1社を調べてみましたが、まだそれほど割安でもないみたいです。
同業他社もみな業績が伸びているみたいですので、短期的には高成長が望めそうです。ただ、将来に渡って好業績をあげられるかは微妙なところです。いずれ競争の激化により、勝ち組と負け組に分かれることになると思います。それがはっきりする前まで保有して勝ち逃げするか、勝ち組をじっくり選ぶかのどちらかが良いでしょう。どちらにせよ、一度同業他社とも比較したほうが良さそうです。
また、この業界はどの会社も所詮は金儲けを目指して起業された企業であり、同社の社長も信念に燃えた経営者ということはまずあり得ないでしょう。そうなると、世代交代で業績がガラっと変わるリスクがどうしても付きまとうことになると思います。